「日本独立」
近年、世界各国で右派的な思想や政党が台頭している。アメリカではトランプ大統領の登場以降、「自国第一主義」や「反グローバル化」の流れが強まり、既存の政治体制への不信感が保守層の支持を集めた。ヨーロッパでも移民問題や経済格差を背景に極右政党が勢力を伸ばしており、SNSの普及によって従来は周縁的だった思想が可視化され、拡散されやすくなっている。このような右傾化の潮流は日本にも影響を与えており、既存政党とは異なる視点を持つ新興勢力が注目されている。その一例が参政党である。参政党は教育、食の安全保障、ワクチン政策などを中心に据え、「真実の追求」や「国民の覚醒」を掲げて政治への関心が薄れていた層に訴えかけている。既存の枠組みに収まらない政治的欲求が、こうした新しい運動を生み出している。支持者の中には、既存メディアや官僚機構に対する不信感を強く持つ層も多く、情報の透明性や国家の自立性を求める声が高まっている。経済的な視点からは、「消費説」、特に「過少消費説」が再び注目されている。これは、生産が拡大しても消費が追いつかず、供給過剰によって不況が起こるという理論である。所得格差が消費力を抑制し、有効需要が不足するという主張は、現代の格差社会において再評価されている。この理論に照らすと、日本の消費税制度には大きな矛盾がある。特に輸出企業に対する「消費税還付制度」は、消費税収の一部が大企業に流れる構造を生み出している。輸出にはゼロ税率が適用されるため、企業は仕入れ時に支払った消費税を還付される。輸出額の多い企業には年間数兆円規模の還付が行われており、これは消費税収の約1割に相当する 。一方で、国内市場を中心とする中小企業や一般消費者は消費税を負担し続けており、税の恩恵を受ける層と負担する層の間に大きな不均衡が生じている。このような構造は、消費力の低下による経済停滞と密接に関係しており、税制度の見直しや所得再分配の強化が求められる背景となっている。消費税が本来掲げていた「公平な負担」という理念が揺らぎつつある今、制度の透明性と持続可能性を問い直す必要がある。