「国内外の諸情勢と中道改革連合の展望について」
小川淳也氏(中道改革連合代表)は、総選挙後の政治状況、野党再建、人口減少や社会保障など日本が抱える構造問題について、率直かつ詳細に語った。講演冒頭では、2月の総選挙からわずか数ヶ月しか経っていないにもかかわらず、政治状況が大きく変化し、野党勢力が壊滅的な打撃を受けたことを振り返った。自身も800票差という僅差で選挙区当選したが、全国で選挙区勝利した野党候補はわずか7名であり、深刻な敗北だったと述べた。
そのうえで小川氏は、敗北直後に代表選へ立候補した理由を「逃げられなかった」「自分がトップに立たなければ改革を進められない」という覚悟からだと説明した。代表就任後は、国会対応、党務、資金難、180名の落選者支援など、再建に向けた課題に追われてきたと語った。
講演の中心では、日本が直面する三つの構造問題を提示した。第一に人口減少であり、昭和期には毎年100万人増えていた人口が、現在は毎年100万人減少している現実を示し、地域社会や経済の維持には従来の発想では対応できないと指摘した。第二に高齢化で、かつて3〜5%だった高齢化率が現在30%に達し、社会保障制度の持続性が危機にあると述べた。給付と負担の見直し、高齢者の定義変更、富裕層への給付調整、相続制度の再検討など、政治的に困難だが避けて通れない論点を提示した。第三に円安と経済構造の問題で、アベノミクス以降の円価値下落や輸入依存の高さを挙げ、食料・エネルギーの国産化を安全保障の観点から重視すべきだと述べた。
また、小川氏は「中道改革勢力の再構築」を強調し、政党として明確なアイデンティティと国家ビジョンを示す必要性を訴えた。三党(中道改革連合・立憲民主党・公明党)が片輪走行を続けている現状には限界があり、組織課題の解決が急務であると述べたが、具体的な方向性には慎重な姿勢を示した。
質疑応答では、アベノミクス評価や食料自給率などの指摘に対し、小川氏は多面的な視点の重要性を認めつつ、自身の問題意識を補強する形で応じた。また、社会保障改革の具体策として、高齢者定義の見直しや相続制度改革などを「理論的選択肢」として提示した。
最後に小川氏は、政治不信の深さが改革の最大の障害であると述べ、政治の透明性向上、特に資産把握やキャッシュレス化によるお金の流れの透明化に賛意を示した。北欧型の「信頼に基づく福祉国家」を理想に掲げ、政治への信頼回復こそが日本社会の再生の鍵であると締めくくった。