2026年1月15日「政民東京會議」講師/藤田 文武 日本維新の会 共同代表  

2026年01月15日
  

「日本再起の道筋-新時代の政治構想」

 藤田文武氏は、目前に迫る衆議院解散・総選挙を背景に、維新の現状、連立政権の構想、日本政治の課題について率直に語った。冒頭では、選挙準備の指揮を執る立場として「一分一秒を争う意思決定が必要な状況」にあると述べ、政治情勢が極めて流動的であることを強調した。

 まず、前日に総理官邸で行われた自民党との会談について触れ、総理側から「早期解散の意向」が明確に示されたと説明した。今回の解散には、自公連立の解消、自民・維新による新たな連立体制、そして政策方針の大幅転換という「国民に信を問うべき合理性」があると語る。維新と自民がまとめた連立合意文書には、公明党が連立にいた時には書けなかった政策が多数盛り込まれており、藤田氏自身がその執筆を主導したと明かした。

 続いて藤田氏は、自身の経歴と価値観について語った。若くして企業のナンバー2に抜擢されるも、独立後に事業が失敗し、資金難で先輩経営者に土下座して支援を頼んだ経験など、逆境の中で挑戦を続けてきた体験が、現在の政治姿勢につながっていると述べた。維新が低迷した時期にあえて公募に手を挙げたことも「リスクテイクこそが自分の政治姿勢の根幹」と語り、自民党の「大企業病」のような組織文化を指摘し、維新はスピード感と改革志向で補完できると主張した。

 政策面では、まず社会保障改革を最重要課題として挙げた。医療費は現在47兆円で、2040年には80兆円に達する試算があると説明し、現役世代の負担が増え続ける構造は限界だと指摘した。維新が掲げる改革は、無駄の削減と制度構造の改革の二本柱であり、連立合意文書にも大きく盛り込んだと述べた。特に後期高齢者支援金制度の見直しや、費用対効果の低い医療の保険適用の見直しなど、政治的に困難なテーマにも踏み込む姿勢を示した。

 次に、外国人政策を「日本の将来を左右する最大級の課題」と位置づけた。外国人労働者は約380万人、毎年30?35万人の純増であり、出生率の低下と合わせると、2040年代前半には外国人比率が10%を超える可能性があると説明した。これまでの日本の外国人受け入れは「なし崩し的な拡大」であり、体系的な移民政策が欠けていたと指摘。量的管理(増加ペースの抑制)、ビザ要件の見直し、日本語能力や同化政策の強化、産業構造改革(AI・ロボティクス活用)などを進める必要があると述べた。感情的な排外主義が選挙で支持を集める傾向にも触れ、「合理的な移民政策を構築すべき」と強調した。

 さらに、維新が長年掲げてきた「副首都構想」についても説明した。東京一極集中のリスク(災害・危機管理)と、経済資源の偏在による地方衰退という二つの観点から、副首都構想は国家全体のバックアップ機能として必要だと述べた。大阪のための政策ではなく、国家の国土戦略として位置づけるべきだと強調し、自民党との協議でも危機管理と経済集積の両面から議論が進んでいると語った。

 最後に政治改革について触れ、維新が一貫して主張する「国会議員の定数削減」へのこだわりを示した。比例50削減案を軸に自民党と協議を進めたが、公明党の反発などで調整が難航した経緯を説明しつつ、「言ったことはやってもらう」という姿勢を貫くと述べた。

 藤田氏は全体を通じて、維新が自民党と組むことで「統治能力と改革スピードの両立」が可能になると語り、新しい連立政権の是非を選挙で堂々と問うべきだと締めくくった。