「どうなる少数与党政権ーいばらの道」
少数与党という厳しい船出の中で誕生した新政権。試されるのは権力の強弱ではなく、「信頼」と「覚悟」である。公明党との調整、党内の軋轢、野党の攻勢―それらを超えて国民に希望を示せるかが、新政権の真価を決める。政治の安定とは議席の数ではなく、どれだけ多くの人の心を結び止められるかにある。官房長官には、嵐の中で舵を握り続ける胆力と、首相と心を通わせる信義が求められる。安倍―菅、竹下―小渕、中曽根―藤波―名コンビが日本を動かしてきたように、信頼の絆こそが政治の背骨だ。幹事長もまた党の屋台骨。森山氏のように人を敬い、調和を重んじ、与野党の間を柔らかく取り持つ力量が、いま最も必要とされている。
そしていま、国民の期待を一身に背負うのは高市早苗首相。憲政史上初の女性宰相として、彼女の言葉と行動は「新しい日本」を映す鏡となる。強さと優しさを併せ持つリーダー像を体現できるか―。党人事では大胆な登用によって世代交代を印象づけ、「守りの自民」から「挑戦の自民」へと脱皮する姿を国民に示すべき時だ。安定より改革を、忖度より信念を。延長線上にない思い切った布陣こそが、時代の閉塞を打ち破る原動力となるだろう。いまこそ若手や女性、地方の声を積極的に登用し、多様な視点を政治の中枢に取り込むことが求められている。それが国民の共感を呼び、新しい政治文化を生む。
外交もまた荒波の中にある。トランプ氏の再登場、アジアの緊張、円安と資源高―。理念を叫ぶだけでは国は守れない。どの国とも対話を拒まず、現実的かつ柔軟な外交を展開することが肝要だ。小泉、茂木、林、小林といった多彩な人材を活かし、政策ごとの部分連合で安定を築く。その知恵と包容力が、激動の世界で日本の立ち位置を定める羅針盤となる。
そして、政治にいま最も欠けているもの―それは「働く政治」だ。物価高や賃金停滞に苦しむ人々の声を聞き、現場に寄り添い、結果で応える政治を取り戻さねばならない。高市総理が掲げる「働いて、働いて、働いて、働いて」という言葉には、政治家としての責任と矜持が凝縮されている。それは、信念だけでなく血の通った希望を示す言葉だ。
人を信じ、国を思い、未来を託す政治。その再生が、いま始まろうとしている。茨の道を恐れず、国民の笑顔を取り戻すまで歩みを止めない―。その覚悟が本物ならば、高市政権の挑戦は、日本に再び感動と誇りを呼び覚ますだろう。いま日本は、再生か停滞かの岐路に立つ。高市首相が掲げる希望の旗が、暗闇を照らす光となることを信じたい。