12月1日「政民東京會議」講師/馬場 伸幸 衆議院議員・維新会の代表

2023年12月01日
  

「日本維新の会が目指す国家像」

維新の会は唯一地方で生まれた地方重視の政党だ。数多の先端技術が披露された1970年の大阪万博で大阪の経済は活気づいたが、バブル崩壊に伴い人材は関東に流出して税収も大幅に低下し、経済は低迷。大阪を憂いた橋下徹氏が府知事となり、大阪府下の市町村の補助金の見直しや公共施設の民間への売却、商業的活用を通じて大阪府の大改革に乗り出した。大阪府と大阪市の諍いや抵抗もあり、政治には数の力が不可欠で、自分たちの思うような新しい政治がしたいと当時自民党員だった松井一郎氏が他の府議らと「自民党・維新の会」を結成したのが維新の会の第一歩だった。その後、大阪市や堺市を中心に賛同者を増やして自民党を離党し、統一地方選に名乗りをあげ、大阪府議会で過半数、大阪市、堺市市議会で議会第一党となった。

大阪再生のためには大胆な行財政改革が不可欠との共通認識の下、“政治家自身の”身を切る改革として、府議会の定数2割減、報酬3割減を断行したのをはじめ、本気の行政改革を進めていった。将来への投資として幼児教育、給食の無償化など教育の無償化にも着手した。非正規雇用や一人親の増大で所得格差が拡大し、進学をあきらめる子どもが増えるなか、子育て世代の可処分所得増を目指すものだ。経済が活況になれば税収が増え、よりよい行政サービスにつながる。こうした教育改革は本来国が行うべきだが、日本が再び成長するためには「教育」というキーワードは外せない。東京、奈良、和歌山も大阪に追随する動きを見せており、大阪発でこの動きを全国に広めていきたい。

政府の掲げる防衛力増強は、自分の国は自分で守るべきとの考えから、維新の会としても基本的には賛成だ。維新の会は岸田首相に国民に負担を求めない形での防衛力増強を提言したが、財源が生み出せないから増税ありきという政府の結論には疑問を禁じ得ない。政治家はできないと言われていることも知恵を絞って実現すべきだ。かつて世界2位の経済大国だったわが国はいまや中国、ドイツに抜かれ、近い将来インドにも抜かれる見込みだ。異次元の少子化対策にしても、財源を社会保険料の上乗せに求めるのであれば企業・社員の負担が増え、可処分所得は増えず、消費も増えない。政府のやっていることはちぐはぐで、児童手当を中学卒業から高校卒業まで拡充するといいながら、扶養控除は考え直すという。これでは国民の為にならず、効果がない。

いまの政府は新しいことをやるときに必ず増税と国民の負担を求める。新たな負担、増税を伴うのであれば誰でもできる。国会でも自分たちの実を切る覚悟が必要ではないか。

2012年の野田政権当時、国会議員の大幅な定数削減が議論されたが、選挙が終われば立ち消えになり、大幅な定数削減はいまだに実現していない。有言実行を信条とする維新の会では国会議員の報酬は2割カットし、全国の市町村の災害時に役立てている。最近ではウクライナに食糧、車両を贈った。

2025年の国家イベントである大阪万博は会場建設費が上振れしているのは事実だが、人件費や資材の高騰があり、やむを得ない事情がある。いまだ関東方面での認知度が低く、周知に努めていきたい。今回の万博のテーマは健康と長寿で、日本のみならず世界各国の最先端の医療技術を集結させる考えだ。過去最高の160カ国が参加表明しており、中身の濃いものにし、子どもたちに最先端の技術を体感してもらい夢や希望を持ってもらいたい。

これからの日本をつくる鍵は憲法改正だ。現行憲法は国民主権と言いながら戦後に慌ただしく制定され、80年近く一度も国民審査の対象になっていない。岸田首相は9月までに国民投票を行うと断言しているが、それまでに憲法審査会の現場をNHKに中継させるなど国民に広く周知する必要がある。自民党は行政運営には長け、経験も豊富だが抜本的構造改革はできない。次世代に向け、新しい日本をつくる時代が来ている。

これからも維新の会に注目いただき、ご支援いただきたい。