主張

日本経済の進むべき道

 野田首相は「命をかけて増税する。増税できなければ内閣の存在意義はない」と述べているが、これは首相が財務省の傀儡政権となってこのような言動を繰り返していると見られても仕方あるまい。
大阪の橋下徹市長は、消費税について曖昧な態度を表明していたが、閣議決定の前日、消費税増税法案を強く批判した。「いかにも霞ヶ関が考えそうなことで、乗っかってはいけない。財源確保は消費税を上げなくてもできる」と述べている。
とかく増税派は、わが国は財政赤字で破綻寸前、ギリシャの二の舞いになると喧伝しているが、これはとんでもない作り話だ。日本の資産は世界一なのである。たとえば、日本の借金は1000兆円と言われているが、一方、資産は650兆円あり、その差額は350兆円だ。この額は対GDPで見ても、世界と比較してそんなに驚くほどの額ではない。さらに言えば、個人純資産が1488兆円もある。それを企業や国が持つ金融資産まで広げると、5619兆円になる。また、日本の対外純資産は252兆円、経常収支は17兆円、外貨準備は100兆円、それ以外に企業の海外資産は480兆円との統計もある。これらを見ればユーロ圏で危機に瀕している国と全く違うことは歴然としている。
言うまでもなく、デフレ下で増税すれば景気はさらに悪化し、税収が落ち込むことは経済学の常識である。それでもなお増税を言うのは、財務省が自由に使えるカネが欲しいからで、自らの既得権益を維持する資金捻出のためだとの見方がある。これこそが天下り確保の宝庫となり年間12兆円を使い、消費税5%分の税金が充当されている。
民主党は消費税増税をする前にムダを省き行革を公約したが何もやっていない。
今、日本政府が一番やるべきことは、景気の回復である。経済を回復路線に乗せて税収を増やす経済成長政策だ。財務省・日銀は異常とも言える「円高・デフレ」を放置して経済成長にブレーキをかけてきた。マネーと為替が正常相場になれば、再び輸出企業やその関連会社が元気を取り戻し、法人税収が増え、雇用が戻り、消費も回復しよう。そうなれば、株価が上昇、輸出も増大する。わが国はグローバル化のもとで日銀が為替市場に介入するお金(通貨)を発行すれば「円安・インフレ」に向かう。たとえば、日本政府が世界に向けて為替介入を宣言しただけで1ドル=80円台に戻った。増税を声高に叫ぶ前に「円安・インフレ」政策を国が率先して実行し、為替調整に力を入れるべきではなかろうか。