主張

「縦社会の形成こそ教育の原点」


ある俳優が言っていたのだが、若い人が礼儀を失していたので注意をしたところ、逆ギレされて殴られてしまったのだという。今の若い人達を叱ってきたが、何度か同じような目にあったというから驚きだ。
かつては他人の子供が外で悪いことをしたら、見知らぬおじさんが出てきて叱りつけたものである。他人の子供もその見知らぬおじさんの言葉を素直に受け入れていた。親達だって自分の子供をよくぞ叱ってくれたと強く感謝したものである。しかし、今の親達は自分の子供が何も悪いことをしていないのに、なぜ他人から怒られなくてはならないかといって、その人に文句を言いに行く親達がいるというから驚きだ。
そう考えると、今の日本の教育は崩壊していると言っても過言ではない。つまりは、縦社会の崩壊が著しく教育を悪くしてるように思えてならない。
親と子、先生と生徒、大人と子供の関係が、自由と平等と人権という名の下に、横並びになってしまった。横並びになった結果、親は子から、先生は生徒から、大人は子供から、馬鹿にされる存在になってしまったのだ。
例えば、かつてのお爺さんやお婆さんは恐い存在であったし威厳があった。しかし、お爺さんやお婆さんが孫に気に入られようと、孫に気を遣いすぎたあまり、今度は孫から軽くあしらわれる存在になったことは言うまでもない。
また、今の学校では生徒が先生の言うことを全く聞かない子供が多いという。言って分からぬ子供には体罰でもって知らしめる必要もあろう。しかし、体罰をすると今度はその先生が追いつめられるというから何とも情けない。
つまり、教育とは縦社会によって成り立つものであって、横並びになったら教育など成り立つはずがあるまい。だからこそ我々は縦社会の再生を心して求めていかねばならないのだ。そのためには政治がこの荒れ果てた教育を原点から見つめ直していく必要がある。もはや政治が主導権を発揮して真の教育改革を推し進めなくてはならない。教育は選挙の票にならぬからと避けて通れない問題であることを肝に銘じておくべきだ。