木曜コラム

山本善心の週刊「木曜コラム」 今週のテーマ     日本経済は必ず再浮上する

財務省の暴走が止まらない。国の税収不足や財政赤字の増大の穴埋めに、消費税増税、年金や保険料の値上げのみならず、国民からどこまでも搾り取ろうと強化し始めた。しかも「国民負担倍増計画」が進行中だと聞いている。

10月から家畜飼料の価格が上昇した。この値上がり分の差額を補償金に充当するとして社団法人が分配する役割を担っている。さらに、環境税導入に伴い、この三カ月でガソリン価格が10円以上も値上がりした。さらに言えば、電力、都市ガス、環境税、自動車保険税、家庭用電気料金、公共交通機関、日用品、食用油、乳製品などが次々値上げラッシュだ。

官僚や各公共団体の税収と資金不足を守るため、値上げでカバーしようとする意図が透けて見える。これでは、国民の一部は生活苦と資金不足に喘ぎ耐え忍ぶ昨今と言うしかない。闇雲な値上げラッシュで貧しい生活者からの声なき声が聞こえてくるようだ。

財務省の消費増税シナリオに騙されるな

役人の考えることは、税収が不足すれば増税して税収入を増やそうとする安直な発想でしかない。一昔前から社会が不況になり税収が少なくなると役人は増税で不足分を捻出した。これでは国民の生活がますます困窮するだけである。更に言えば、企業も国民も税金を払うために働いている感じになっている。増税よりも行政改革をはじめ、肥大化した国の仕組みをスリムに塗り替えることが先決だという国民の切実な思いを真摯に受け止めてもらいたい。

東日本大震災の復興予算の4兆円から、被災地とは全く関係のない公共事業に流用されて問題になっている。たとえば霞が関合同庁舎の改修工事が12億円、北海道78億円、沖縄22億円が道路整備事業などに復興予算が意図的に使われていることが発覚した。これは復興予算の横流しに他ならない。しかも野田首相はこの事実を国会答弁で認めている。

国の予算と歳出は財務省が資金繰りをしているが、その割り振りは彼らの自由裁量で行われてきた。復興予算も消費税増税も全て社会保障との一体化と公言したはずだが、彼らは全体の資金繰りに転用して公共事業にも使っていた。財務省は早くからこのシナリオに向けて予算編成をやっていたという。これは「増税と社会保障の一体化」ではなく、国民を欺く詭弁であり情報隠しに国民は騙されているとの感を禁じ得ない。

日本経済を蝕むシロアリを駆逐せよ

日本政府は経済対策として金融緩和、補助金、公共事業等あらゆる手を使って国民の不満を懐柔している。これはすべてを借金でまかなってきた。国内経済は需要が減り、消費が落ち、企業は収益が悪化し、家計はやり繰りに苦しんでいる。しかし、財務省は国家全体の資金繰りが苦しく、国家予算が枯渇するなどと、様々な脅し文句を使って民間から税金を搾り取っているが今後も一層熾烈になりそうだ。

このような悪循環を招いているのは税収不足を解消する前向きな経済施策が立てられていないからだ。国が増税ばかりでは減収となり、さらに増税するからまた減収となる。これではどんどん経済が悪くなるばかりでいたちごっこの様相だ。10月30日、日銀は「金融政策決定会合」でさらなる景気悪化を防ぐため、基金の量を11兆円増やした。総額91兆円は資産買入など基金の規模であるが、新たに創設したのは新しい貸出供給枠で融資額は無制限だ。

この深刻な税収不足の最大要因は企業の不況による資金繰りであり、税金が払えなくなっているためだ。このままの状況を放置すれば企業は雪崩式に倒産するしかあるまい。企業が資金ショートを起こせばさらなる税収の激減は必死だ。一方で、国家公務員の給与や独立行政法人などは現状維持で削減どころか歳出増大なので財務省の金庫は行き詰まるだけである。それゆえ増税分は国民に還元されるどころか肥大化した官僚機構の資金繰りに使われたとの感が強い。

水谷研治氏「消費税60%の引き上げが不可欠」と試算

霞が関は税収不足のため統治能力が著しく低下しており、自由に使える資金を求めて増税路線に踏み切らざるを得ないという異例の事態だ。わが国の直面する危機症状とは、最悪の局面に突入しながら国家の健全な再生政策、企業の未来ある新産業の創出など明るい展望が見えないことだ。政官財は自らの権益のみに汲々として国の再生に本腰を入れようとする姿勢も知恵もない。

これでは、今後国民は資産を取り崩し、増税という名のもとに預貯金を切り崩していくしかないだろう。10月18日、時局心話會の東京例会で水谷研治氏(東京福祉大学大学院教授)は、「この事態を打開するには、ほぼすべての支出の20%削減を行ったうえで消費税60%の引き上げが不可欠だと断言した。この消費税増税は15年前であれば15%程度、10年前なら30%だったのに、いままで消費税増税を先送りし続けてきた結果がこのような数値になった」と主張した。水谷氏はこの20年間、日本経済の先行きを的確な分析と判断で的中したばかりか、いくどとなく警告されてきた。氏は日本経済の未来に悲観的なのは政治の貧困と外交であり、経済政策の欠如にあると強調した。

企業は確かな見識を持ち、変化に備えよ

水谷氏は、「日本はデフレ経済下、海外進出を余儀なくされ国内産業が空洞化した。その上中国の反日デモで日本企業は直撃を受け、巨大な中国市場から撤退、移転など、マイナス要因が多い」と警告し、これには「企業は変化への備えが必要だ」と強く訴えた。氏のショッキングな予測に参加者の驚きは隠せない。

時局心話會の東京例会参加者は企業経営者に限られているが、その趣旨は国内外の厳しい状況を学ぶことで日本経済の転換点を見極め自企業の先を見定めることだ。参加する企業家らは普段は語られることのない確かで貴重な情報に接することで、見通しを定め、状況を判断、決断し、実行することが求められている。

経済の成長期は経営者の勘や利害の仲間の間での情報交換が金儲けの一つの手段であった。しかし、いまや国際情勢や内外の政治状況による外的要因への適応力如何で企業が淘汰される時代だ。年商2300億円創業30年で成功した企業のトップM氏は「成功体験を否定して常に新しい道を模索する」と語ったが、その一言の重みは大きい。

安倍元首相に期待する新政策

いまや国民や企業が難局に直面する非常事態である。世界の状況変化や国内政治の動向が直接経済に影響を及ぼす時代が始まった。企業のトップは緻密な情報収集による幅広い見識とグローバル化に適応させる素早い判断が求められている。

同じく政治も、強力なリーダーシップを持つ強力な首相の登場を待望していよう。次の選挙で自民党政権が大勝すれば自民党総裁の安倍晋三氏が日本国のリーダーだ。

2006年9月に発足した安倍氏の政権時代の目玉は税制抜本改革であったが目標は未達成となっている。そのときの政策で増税なしでも歳出削減と経済成長による自然増収で黒字化は可能と目算していた。安倍氏が再び政権を奪取すれば「歳出削減と経済成長」に挑戦すると共に6年前に権力側から受けた安倍叩きという苦い教訓をかみしめながら、上手く切り抜けてもらいたい。

安倍政権はいま経済再生のための明確な手法と行程を示すため、「日本経済再生本部」を創設した。そこには経済専門家が集まり、「戦後レジームからの脱却」つまり戦後の仕組みや制度から脱却するプランが続々と練られている。安倍氏は戦前からの伝統・文化を規範とする旧来型の産業構造を尊重しながら新産業の創出に主眼を置いている。

次の世界の経済モデルは日本から

日本経済として最も大切なことは税収を増やすことである。政治が企業を誘導し、海外で働きやすい環境をつくるには政治主導に期待するしかない。日本市場は勝ち組企業が残り、負け組や新規ビジネスは成長する海外市場でチャンスを狙うのも今後の選択課題だ。

もう一つは、かつてのように優秀な通産省(現・経済産業省)が主導して、中小企業が安心して海外で活躍できるようなビジネスモデルを作ってもらいたい。筆者は米国型資本主義の時代は終わったと解釈している。

もはや米国型の金融ビジネスや中国経済のでたらめに世界は飽き飽きしている。彼らは自分達に都合のいい仕組みを作って他国から国富を収奪する強盗団と同じだ。次の世界経済をリードするビジネスモデルは、世界と和を結ぶ日本ならではの道徳と文化であり、創造性にあふれた豊
かな技術である。かつては世界第二位の経済大国となったわが民族の情熱、想像性、闘争心が再びよみがえり世界から脚光を浴びることを期待して止まない。それには憲法改正、軍事力の強化であって国の土台を確立してもらいたい。

次回は11月15日(木)