木曜コラム

山本善心の週刊「木曜コラム」 今週のテーマ     元スパイが語る中国の真実(下)

山本)南シナ海は中国の侵略で今後周辺諸国との関係はどのように変化しますか。一方、米国は国益のためいかなることがあってもこのエリアを守りたい。そうでないと発展途上地域から締め出されてしまうことになる。南シナ海の周辺諸国、フィリピン、ベトナムなどは軍事力を強めて中国の威嚇に抵抗し、自分たちの領土を守ろうとがんばっています。これまで中国が他国と戦争した経験がほとんどありません。いざ戦争となって負けると分かったら解放軍は逃げ出すんじゃないですか(笑)。

原)昨年東日本大震災が起こった時は20万人の中国人が一斉に帰国したからね(笑)。歴史からみると漢民族同士の戦いはありましたが、戦争で他民族に勝ったことはありません。

山本)中国は威嚇を繰り返して日本の出方を伺い、弱いと見ると尖閣が取れるかもしれないと考えている節がある。日本は蛇に睨まれた蛙のように中国に呑み込まれるケースもありますね。

原)中国が日本に侵略して占領するというより、逆に日本が中国の名前を付けて、日本人が中国の政治制度に変えてくれればもっといいじゃないですか。戦争になれば面倒くさいことになる(笑)。

山本)それは冗談にしても、そんな暴論を言う日本人がいることも事実です。ただ、日本と中国の民族性がまったく違うので、一緒になることは我慢できないんです(笑)。台湾人らは中国人観光客のマナーの悪さにあきれて「一つの中国」論に拒絶反応を起こしていますよ。

原)中国の14億人は誰もルールを守らないし、その資質もない。日本は1億2000万人ですが、みなルールを守ります。ですから、日本が中国を管理すればちょうどいい(笑)。
私の親戚は満州時代、日本の警察が大嫌いで
したが、いまの中国の警察は考えられないくらいひどく、残留孤児の間で当時の日本の警察に復活してほしいという声があるくらいです。
中国人は国家のイメージがなく、国のために考えたり他人のために行動することは一切ありません。自分の生活がよければいいだけなんです。日本人が中国に行って中国のエリートになる可能性は十二分にあります(笑)。

山本)ところで中国解放軍は日本の自衛隊の戦力をどう見ていますか。

原)中国の軍隊は、海軍と空軍は自衛隊とは比べものになりませんね。中国共産党もそのことはよく理解しています。陸軍は人口も多く、事情は異なりますが。私の得た情報によれば、解放軍はアメリカと比べたら総合的に50年遅れています。インドの軍事力も強くなっていますので、中国解放軍は軍拡と共に警戒を強めています。日本の報道による中国の軍事大国論は表面的で本質から外れています。

中国は本当に強いのか

山本)私は3年前、グアムで、米軍司令部のトップと面談したことがあります。日本のF15戦闘機、米のF22戦闘機が共同訓練を行っていて、「日本の自衛隊機のパイロットは優秀で精度の高さは世界一だ」。米軍のトップは、「航空自衛隊と一緒に訓練しなくなったら不安だ」と言っていました(笑)。日本のパイロットは一人の養成に中国人パイロットの5倍で5億円をかけていて、中国は1億円です。戦闘機はパイロットの経験年数と技術力がものをいいますから、自衛隊のパイロット操縦能力は断一だと言うんです。

原)中国は海と空では日本に勝てないが、自衛隊の戦闘能力の高さは解放軍が一番認めています。憲法の制約で自衛隊に軍事行動ができないので中国は安心して言いたいことを言えるんです(笑)。

局地戦の場合でもこれからの危険地帯は沖縄中心になる。日中の軍事的な均衡が保たれていれば平和と安全地帯になるが、反米思想と運動は沖縄を危険な地域に追いやるので止めた方がよい。沖縄は自分達の首を絞めている。

スパイ天国

山本)ところで、いま日本の外交は外交機能の停止した政治家や官僚が多いとの見方が多いですね。その前に今から30年前頃から北朝鮮で洗脳された6000人規模の子供たちが、日本にやって来て朝鮮学校に入学して日本人に帰化し、東大入学が目標だったと聞いています。その後彼らは日本人のエリートになって政官を始め各界に潜り込んで日本を牛耳っているというわけです。朝鮮半島から帰化した国会議員は民主党だけで70名以上いるとのリストが出回っていますね。北朝鮮系の人が代議士の秘書や政党の職員になっていて、日本国の沈没に加担していると言うわけです。(詳しくは弊誌79号参照)

原)それが事実とすれば、北朝鮮の工作活動が一番成功したと言えますね。

山本)韓国も日本と同じように北の工作員をたくさん送り込んで成功しているのは周知のとおりです。最近になって少しづつこれらの実体を理解する人が増えています。

原)中国のスパイは、中国人を日本に帰化させるわけではなく、日本の政治家や有名人たちと知り合い、その考え方を中国に都合よく影響させるだけですが、北はもっと利口ですね。日本ではスパイを取り締まる法律がないから捕まえることができないので、これではやりたい放題になりますね。

中国と日本は政府だけでなく、民間の力も入れて外交問題を解決すべきです。できれば日中関係、日米関係も考えて、独立的な日本の立場で全体の考え方を正したほうがいい。このまま日本政府や政治家では何も変わらないと思います。

山本)まったく同感です。これまで、日本の政官は何をやってきたのか。結局は何もやらないから紛争の火種ばかりが増えているとの声が強いですね。

原)いまの日本はたくさんの問題を抱えているが政官は本当のことを語らない。将来の政治、ビジネスにとってもすごく不利です。中国やアメリカ政府にも左右されずに、日本人として自立した立場で、自分の考えを打ち出すのが一番良いと思うのですが、それがないから米中に振り回されるしかありません。

山本)中国も、はっきり物を言う日本の政治家のほうが安心するでしょうね。いまの日本の政治家はみんな卑屈な態度で同じことを言うから中国も米国もどう対応していいのか分からないのではないでしょうか。

中国民主化の行方

山本)私は日台間でアジアの安全保障を議論する超党派の国会議員の研究会をやってもらいたいと思っています。民間レベルでできるならアジアを変える御膳立てをしたいわけです。

原)かつて江沢民と李登輝がトップだったころ、沖縄の近くのある島で、秘密裏に偶然に二人が出会うシナリオを計画したことがあります。私が仲介役を務めたのですが、日本人嫌いの江沢民は私が日本人ということで拒否されてしまい結局実現しませんでした。アメリカでもフィリピンでも、台湾と中国との関係に日本人を入れることを江沢民は望まなかったのです。

胡錦濤は実は親日家との噂もありますが、中国の政策はみな同じ。日本を敵としてみていることに変わりはありません。アメリカを公に叩くことができないから弱い日本を叩いているんです。それが日本叩きの構図です。

山本)アメリカを叩けないので、日本叩きをするとは迷惑千万な話ですね。

原)これからは各国のリーダーと世界平和のための話し合いをすべきでしょう。国家間のリーダーが本音で語れる場を作ることが第一の解決方法です。中国が民主化すれば戦うこともなくなると思う。

山本)私はかつて自由党時代小沢一郎氏と台湾宋楚瑜氏との対談をセットしたことがあります。宋氏は「日本とタイアップして中国を民主化すべきだ。民主化することが私たちの使命だ」と言っていましたが、小沢氏は「中国が民主化するわけないでしょう」と言っていましたね。

原)中国が民主化すれば台湾の商売も有利になる。でも中国の民主化は、実は日本にはメリットがない。だから中国の民主化に小沢一郎は反対したんでしょう。もし中国が簡単に民主化してしまったら、日本は立場がなくなります。アメリカも本心では中国の民主化は望んでいません。

日本人はみな堅い人が多く、感情を表に出さない。だから日本人は世界のエリートにはなれないんです。日本人の口下手、表現力は直したほうがいい。それ以上に恐いのは世界の現実を理解せずに判断している。

山本)中国人が変われないように日本人も変われないですよ。日本人は正直、勤勉、実直が本分なので、仕方ありません。しかし原さんが言うように世界との外交下手を直さないと国益を損じるとは、その通りですが。

原)いや、日本は変わらないといけない。世界がみな変わっているように。日本は“アジア民主化”の旗を掲げ、ほかの国を全部民主化する枠組みを作って中国を巻き込むことが必要です。その使命が日本にはあります。日本がやるから世界は信用するんです。

山本)残念ながらいまの日本にはリーダーシップをとれる人がいない。政治に期待できない。小沢一郎や橋下徹など、強いリーダーが生まれると全員が足を引っ張るんです。日本では世界的なリーダーは育たない。

原)そうなると、政治を変えるには民間の力が必要になります。できれば山本先生にも中国の民主化運動に協力してほしい。日本の明治維新も民間から偉大な人物が続々登場して成し遂げられたんです。政治家は党利党略にしばられているので、これじゃ何もできず前に進めない。

山本)その考えは最も現実的で具体的だと思いますが、政治家には三つのタイプの人があります。一つは本当に国のためアジアのために考える人。二つ目はそういうことに関心があるように見せかけて何もしない人。そして、三つ目は全く無関心で足を引っ張る政治家です。日本の外交を変えるには民間外交で民間が政治を誘導する「民主導」です。明治維新にはそんな民間人がたくさんいましたし、それに応える政治家もいました。だから日本は変わったんです。

原)そうです。民間人に力のある人が必要なんです。民間人は草の根と同じで、しっかり大地を踏みしめています。

山本)今回の対談はいろんな意味で価値ある内容でした。我々の中国観は一方的な情報を受けて混乱していますが、今回は内容のある多様な考え方をご提案して戴きました。ありがとうございます。

次回は8月2日(木)