木曜コラム

山本善心の週刊「木曜コラム」 今週のテーマ     尖閣問題に見る中国人の本質

わが国政府、外務省による外交政策は対中紛争を回避するため、何事も「先送り主義」で事態を収拾するという経緯があった。中国が政治・軍事で威圧的な態度をとってもわが国から抗議をしたり問題にすることはなく、すべてが「事なかれ主義」である。たとえば1970年頃から石油資源開発、帝国石油、芙蓉石油開発、うるま資源開発などの民間企業が尖閣諸島周辺の試掘開発の許可を経産省に申請した。しかしながら、経産省の杉崎一事務次官は「いま試掘ということではなく、中国としっかり交渉を進めたい」と言い、結局何もしなかった。

1971年12月中国は突然、尖閣諸島の領有権を主張し、1992年2月は領海法を発布して、自国領と宣言した。これは、1968年、国連アジア極東経済委員会が尖閣諸島海域に大量の石油が埋蔵されていると発表したからである。明治17年、福岡の古賀辰四郎氏らは尖閣諸島で鰹節工場や缶詰製造を行っていたが、これまで中国が尖閣を実効支配した事実はない。

6月8日、丹羽宇一郎駐中国大使が、英紙のインタビューに対して「東京都が尖閣諸島を買うのは、日中関係がきわめて深刻となり、これまで築いてきた良好な関係が水泡に帰すので許すことはできない」と述べた。丹羽氏に近い人によれば、これは「中国の圧力に押され、ああ言わざるを得なかったのだろう」と言うが、あまりに軽率な発言だ。

丹羽発言と更迭決議

6月7日、外務省は丹羽発言が「政府の立場とは異なる」と注意。藤村官房長官は、「政府の立場を表明したものでは全くない」と弁明した。では丹羽氏は如何なる立場で発言したのか。中国大使とは野田政権が任命した日本国を代表する存在である。尖閣問題に対する中国の主張は全く根拠のない暴言であるが、丹羽氏の発言は中国側の主権に沿った発言であり、わが国の国益を損なう行為に他ならない。

中国は軍拡を背景に尖閣諸島を「核心的利益」と言い、「自国領土」と主張。彼らは南シナ海諸国に対しても同じ論法をとっている。しかも、中国紙によると、「東京都の尖閣購入は茶番であり、勝手な真似は許さない」と表明するなど、国際ルールも常識もない発言にあきれるばかりだ。

丹羽氏はこれまで関係者らに「日本の国民感情はおかしい」「日本は変わった国なんです」など日本批判を繰り返した。氏は中国ビジネスの最強商社、伊藤忠商事の元会長であり、中国側に都合のいいイエスマンを大使にしたといわれていた。本件に関し、わが国超党派の「日本の領土を守るため行動する議員連盟」らが総会を開き、丹羽大使の更迭を要請した。

国益を損なう大使発言で不穏な日中関係

一体全体、丹羽大使とはどのような人物なのか。なぜこのような国益を損なう非常識な発言をする人物を大使に選んだのか。人事で失敗続きの野田政権の責任が問われるところである。名古屋在住のY氏から伝え聞くところによると、丹羽氏は学生時代に、名古屋大学の自治会長として安保闘争の反政府運動で活躍した札付きの反日家だった。とはいえ、今や丹羽氏は日本を代表する中国大使であり、公人としての発言・責任は極めて重いといわざるを得ない。

丹羽氏は伊藤忠商事の元会長として、対中ビジネスで巨額の取引をした人物であるが、政治の知識と経験は全くの、ど素人と言われている。中国大使になろうとする人物に政治感覚がなく、中国人を理解しない人物に、中国大使の仕事が務まるのであろうか。このような人物を誰が起用したのかという問いに、関係者は民主党の岡田克也副総理だと答えた。これは前原誠司氏が民間企業の日航社長に稲盛和夫氏(現会長)を会長に推挙したのとはわけが違う。

丹羽中国大使による数々の失態・発言が露呈したことで、政権与党の民主党は中国首脳部とのパイプをコントロールできず、日中関係はおかしくなり始めている。今や日中間には新しい人脈とかパイプもなく、政府間調整すらできていない。民主党は内政のみならず、外交関係も機能不全との声がしきりだ。

中国人の本質は嘘つきである

中国大使になる人は、その資格、条件として、まず中国人の本質に学び、理解することが不可欠である。中国人を直感や感情で理解するのは間違いの元だ。中国人らが歩んだ歴史や伝統、本能、精神構造、観念等は複雑に絡まり、よじれによじれている。わが民族性とは本質的に異にするものだ。我々日本人が中国人を理解することは容易なことではない。

中国は3千、4千年の歴史を持つ国である。これまであらゆる権力者や宗教家が中国人の性格を変えようと試みたが、いずれも徒労に終わった。中国では、仏教、イスラム教、ユダヤ教、キリスト教など、あらゆる布教活動が行われてきた。孔子も改革者の一人であり、中国人の性格を変えようとしたが、その本質を知って諦めた経緯がある。

「人間の身長と性格は永遠に変わらない」というのが筆者の持論だ。いかに変革を試みようと、変わらないのが人間の性格であるが、民族性も同じだ。これまで中国人の性格について中国に長期滞在した人に聞いたところ、大方の人は異口同音に「中国人は嘘つきです」と答えた。

中国人の嘘は生活の手段

筆者は月に二度は中国人の経営する新橋のマッサージ店に通っている。担当の中国人女性は大連出身だ。彼女は「日本人はまじめですね」といつも笑顔で言う。筆者は彼女に「中国人は嘘が好きですね」と言うと、彼女は「尖閣も嘘ですよ」と笑った。

我々日本人社会で嘘を言えば、その時点で村八分にされよう。欧米人もまず嘘はつかない。もちろんわが国にも“嘘も方便”という言葉はあるが、それはあくまで悪気のないものだ。ところが中国人は全く逆で、最初から最後まで見え透いた嘘を平気でつく。これは庶民からハイクラスの人間、さらには中国政府に到るまで嘘のオンパレードだ。

尖閣の嘘はわかり易い。先にも述べたが1970年前までは、中国の地図にも尖閣は日本の領土とされていたのに、大量の石油資源が埋蔵されているとわかるや、突然「固有の領土」と主張し始めた。最近では「核心的利益」と言い、ますます嘘を塗り固めてエスカレートしている。バカ正直な日本人の中には、あれほど中国が尖閣を主張するなら共同開発にしたらどうなのか、との意見が真顔で出るくらいだ。とにもかくにも中国の嘘とは挨拶代わりのようなもので、嘘がばれるまで嘘を弄ぶ民族なのだ。中国人同士の場合は嘘を分かり合いながらゲームを楽しむかのように会話の終着点を見極める。しかし日本人が中国人の嘘とまともに向き合えば大けがをする。

 自衛隊の再整備を急げ

しかし、中国人が嘘つきだからと言って、批判しても彼らに対して軽蔑や侮蔑にはならない。これは中国人自身が「嘘つきである」ことを重々認識しているからだ。これが日本人だったらどうなるか。深く傷付いて立ち直れない人もいよう。

中国は急速な軍拡を背景に、尖閣周辺の領海侵犯を繰り返している。温家宝首相は5月、尖閣は「核心的利益」と言った。中国は尖閣を「自国領土」と勝手に主張するのは、わが国の動向を見ながら政治問題化しているのだ。中国の政治家は政治の天才であり、日本人には到底太刀打ちできる相手ではない。ここまで言えば、中国人に対する深い理解もなく、政治的コントロールもできない人物が中国大使になることで、日中間がいかに不安定になるか、その理由をご理解いただけよう。

今のところ南シナ海は米中間に問題が起こらなければ平和である。かつての米国と違って、いまや米軍の軍備費削減は顕著であり、世界的にも縮小傾向にある。米軍は中東から一部撤退し、南シナ海に主力を移しつつあるのは、経済的利権のある地域だからだ。しかし、今の米軍は二つの地域で二つの戦争を戦うことはできない。それゆえ、南シナ海の安定には、わが国自衛隊の米軍に代わる戦力向上が求められよう。

尖閣問題に関して自衛隊が尖閣を死守するとの態度を示せば、中国は軍事介入できない。一方、わが国の自衛隊が尖閣を守らないとすれば、米軍は尖閣を守らない。わが国が尖閣と沖縄を守るには、自衛隊の再整備が問われよう。日本の領土が危機的な状況を迎えている時に、ずぶの素人を中国大使に就任させた民主党政権の見識と判断の甘さは国際政治に対する無知を物語る。更に言えば、わが国の足許が揺らぎ始めた兆候との感を禁じ得ない。

わが国の政治も夢のある将来像を描けないでいる。多くの国民が政治家の責任と約束の軽さを苦々しく思っている。また、相次ぐ増税ラッシュは官僚独裁体制の始まりだ。この先3年、5年以内に増税ラッシュが相次ぎ、企業の倒産と弱者の拡大が余儀なくされよう。わが国は増税や対中政策に見るように政権政党が官僚の手先となって、この国を壊し始めた。我々と同じ危機感を持つ国民の思いと共有し、この「沈没感」を打破してくれる力強いリーダーシップのある政治家を次の選挙で選出する義務と責任を感じる昨今である。

次回は7月5日(木)