木曜コラム

山本善心の週刊「木曜コラム」 今週のテーマ     慰安婦問題再燃の愚(上)

韓国の李明博大統領が昨年12月17日、京都迎賓館で野田佳彦首相と会談。李氏は「両国が真のパートナーとなるために障害となっている慰安婦問題を優先的に解決すべきだ。国連を含む世界の国が人権、人道的な観点から関心を持っている。首相が直接、解決の先頭に立ってくださることを願う」と語った。

野田氏は「在韓日本大使館前に(慰安婦の少女像)碑ができたことは誠に残念だ。早期撤去を要請する」と語ると、李氏は「首相の誠意ある解決策を期待する。それがなければ(元慰安婦の)おばあさんが亡くなるたびに第二、第三の碑が建てられるだろう」と発言。李氏は野田首相が要請する「民間交流や経済関係の進展」以前に「過去の歴史の懸案である慰安婦問題を話さなければならない」と述べた。

両首脳の会談内容を見て、「またか。もういい加減にしてもらいたい」というのが率直な感想である。筆者らは李氏が歴代大統領の中では、この困難な時期に韓国経済を発展させた優秀な指導者だと高く評価していた。しかし、任期が終わりに近づくにつれ、歴史問題を政局に持ち込む愚は近代国家としてやることではない。これはこれまでの政治的手段の踏襲でしかなく、時代遅れも甚だしい。

日本側からの問題提起で金銭支給か

かつて韓国政府が慰安婦問題に関して慎重な姿勢をとった時期もあった。しかし、この慰安婦問題はいつも日本側から問題を提起され、わが国首相が「謝罪と金銭支給」を韓国側に示して一件落着となるのが通例になっている。

元はと言えば宮澤元首相が慰安婦問題で盧武鉉大統領に謝罪、河野官房長官(当時)が強制連行を事実上認め、元慰安婦への「おわびと反省」を表明したことが問題の始まりだ。「河野談話」は慰安婦の強制連行に旧日本軍が直接関与したことを公式に認める発言であった。しかし、旧日本軍や官憲が慰安婦を強制連行した証拠資料はなく、いまでは多くの専門家によってすでに虚構が明白にされている。本来、この「河野談話」によって日韓両国は、既に政治的な決着がついた問題を何度もぶり返してきたのはなぜか。これは「金銭支給」に群らがる関係者らの権益に他ならない。

「従軍慰安婦」問題は、これまで日韓のトップが代わるたびに持ち出されてきた。一方、鳩山由紀夫元首相は政権獲得の直後に韓国政府に慰安婦問題の解決を誓う手紙をわざわざこちら側から送っている。しかも、事前に国会では「謝罪」と「金銭支給」を行う法案提出まで準備されていた。民主党の「政策集INDEX 2009」は、慰安婦問題を解決をするため「恒久平和局」の設置を明示。民主党の鳩山・菅両首相らの「謝罪」と「金銭支給」への反日姿勢は、彼らが反日的な在日帰化人ではないかとの疑念を持たれる所以である。

従軍慰安婦とは公娼ではないのか

そもそも「従軍慰安婦」なる言葉は戦時中にはなかった。「従軍慰安婦」とは戦後の歴史観を捏造するわが反日勢力が後からつけた呼び名である。では一体、「従軍慰安婦」とはどんな存在であったのか。日韓の一部反日勢力が言う一般女子の強制連行は実際にあったのか、否かについては史実を振り返ってみる必要があろう。

慰安婦とは「公娼制度」を前提に成立するものであった。公娼とは鎌倉時代に始まる公認の娼妓(売春婦)である。「慰安婦」とは、大東亜戦争中、日本軍が占領地に進出した際、同行した公娼たちであるが、従軍は戦後わが国の反日勢力らが勝手に付け加えた名称だ。公娼には日本人と韓国人に加えて中国人も含まれていた。

現今、自衛隊をはじめ、中国、韓国の観光客らがソープランドを利用しているが、これは風俗営業の許認可を受けた商行為であり、現在の「公娼制度」である。一方、公の許可なく身を売る女性を「私娼」という。現在では普通の若い女性が金持ちの中年男性に身を売るケースが見られるが、これは個人的な関係で成立する「私娼」である。

女子挺身隊を強制連行したとは本当か

韓国側は、支那事変以後、軍が慰安婦を強制連行したと言う。しかし、具体的に日本軍がどこまで関与したかについて事実と根拠は示されていない。たとえば、韓国側が「日本軍人が若い婦女子に銃剣を突き付けて強制連行した」というだけで具体的根拠を示していない。これは日本側から出たデタラメな情報を確認せず、鵜呑みにして既成事実化したものだ。それについて韓国の盧泰愚大統領(当時)は「日本のマスコミが作り上げた歴史観を韓国のメディアが取り上げて、わが国民感情を逆撫でした」と(当時)述べている。

日本の軍人が韓国女性を強制連行し従軍慰安婦にしたと報じているが、証明できる根拠が何一つない。彼らが参考にするのは韓国の大学教授の本を引用していることだ。この問題は、女子挺身隊と従軍慰安婦を混同した事実誤認に基づいている。女子挺身隊とは満12歳以上の女子勤労動員部隊で、未婚の若い女性が工場や農村に勤労奉仕をした人たちである。そんな純粋な若い女性をところかまわず日本国軍人が銃剣を突きつけて「強制連行」したというが、これは日本人の民族性や文化を知らない韓国人ならではの無知からくる発想だ。軍による慰安婦の募集は芸娼妓斡旋人を仲介して行われたもので、「強制連行」なんて言われると日本人から見れば驚くべき行為であって全くの作り話である。

中国や韓国人ならいざ知らず、わが軍律の厳しい日本軍がルールを犯すことは死を覚悟するほどの決意が求められたという。しかも日本人の身についた武士道精神、道徳心とは他人を思いやる精神構造から見て何の罪もない若い女性を連行して慰安婦にするなど当時の新聞でさえ報道した記録がない。

支那事変は中国共産党軍の策略なのか

このように、事実も根拠もない「強制連行」説が一方的にまかり通ってきたのは南京事件に見る既成事実化である。一方、わが国ではどさくさに紛れて全く根拠のない南京大虐殺問題が教科書に掲載される始末だ。この問題が大きくなったのは、ひとえに日本政府の態度にある。先にも述べたとおり、当時の宮澤内閣と村山内閣は捏造された歴史観を中韓の圧力に屈して容認する姿勢を示したからだ。宮澤首相(当時)は何ら具体的な証拠もなしに、河野官房長官(当時)と共に「総じて強制的なものであった」と韓国側の主張に屈して以来6回以上も「謝罪と反省」を繰り返している。

のみならず、村山首相(当時)は訪中時、わざわざ「侵略と植民地支配」を行ったと「謝罪と反省」を繰り返した。村山氏は支那事変勃発の地、盧溝橋で「中国国民に重大な損害を与えた戦争の一つの象徴的な場所を訪ねることができた」などと興奮気味に語るのだった。わが国が中国を侵略したことや植民地にした事実は一度もない。戦後一世を風靡した浪曲家の広沢虎造氏は「次郎長伝」の一節で「馬鹿は死ななきゃ治らない」と言ったが、時代を問わず核心を突いた格言と言ってよい。

支那事変はまさに村山氏が訪問した盧溝橋事件が発端である。中国共産党の党中央指令で劉少奇の指揮する抗日救国兵士らが日本軍陣地に三度も発砲したことが原因である。ついに堪忍袋の緒が切れた日本軍が応戦して日中戦争が始まった。つまりこの戦争は中国側から仕掛けられた罠(当時)である。

中共は国民党軍と日本軍を闘わせて戦力を消耗させることが狙いであった。日本軍は中共の仕掛けに乗せられて、日中戦争の火ぶたが切られた。これをきっかけに戦火は中国各地に拡大する。これらの経緯は中国共産党発行の「戦士政治読本」に掲載されたまぎれもない事実である。中共軍は駐留軍や居留民に多大な苦痛を与え悲惨な行為に及び、たくさんの日本人が殺された。毛沢東は「日本軍のおかげで中共の天下になった」と当時社会党委員長の佐々木恒三氏に語ったのは有名な話だ。

嘘を何度も繰り返せば本当になるのか

ドイツのヒットラーは毛沢東を真似て、「大きな嘘を何千回も繰り返せば本当になる」と口癖のように語っていたという。実際に事実や根拠がなくとも、虚構で塗り固め、相手国の精神を「嘘」でかく乱するのはいまも昔も変わらぬ国際政治の常套手段である。

歴代韓国大統領は「従軍慰安婦」は軍の直属にあると主張しているが、利用者(軍人)が金を払ったことは認めている。それなら慰安婦は公娼であり、合法性を認知するものだ。私娼であれば当人同士の問題であり、国家は関与できない。

いまこそ真実の歴史を公表すべきではないか

もういい加減にこういう馬鹿げた歴史ゲームはやめてもらいたい。最近ではわが国メディアもこの問題に対して冷静に報道するようになった。しかし、これまで韓国から一方的に押し付けられた「謝罪と反省」にわが国政府は、確固たる国家観、歴史観もないまま、狼狽し、事なかれ主義を繰り返してきたのは無知のなせる業だ。「従軍慰安婦」問題は日韓関係者にとって「カネの成る木」である限り、いつまでも続いていこう。日本側が「金銭支給」を止めれば慰安婦問題はピタッと終わる。

これらの歴史問題は国の根幹を揺るがす重要な課題である。一方的に謝罪するばかりでなく、歴史上の事実を確認したうえで対応すべきであるのは世界の常識に他ならない。これまでわが政府は議論もせず、歴史的問題には蓋をする。金持ち喧嘩せずで正しい史実に触れることを極力避けてきた。日本弱体化の要因は外務省の弱腰が真犯人である。

近年、諸外国でも当時の外交文書の封印が解かれるなど、史実が明らかになりつつある。これからの歴史観は、正しい事実と根拠に基づき、日本人の知性と道理の上に立って発言し行動するという国としての責任ある姿勢に方向転換すべきではなかろうか。これまで、外交を司る外務省はあって無きに等しい存在であった。これからは民の変化と共に外務省の改革を進めるべきではなかろうか。

次回は5月24日(木)