木曜コラム

山本善心の週刊「木曜コラム」 今週のテーマ     従軍慰安婦基金は利権の巣窟だ

前原誠司政調会長は10月11日韓国を訪問し、慰安婦問題について、平成19年に解散した「アジア女性基金」に替わる新たな従軍慰安婦基金の創設を考えるべきだと語った。

一方、24日米国のニューヨークで玄葉光一郎外務大臣は韓国の金星煥(キムソムファン)外交通商相と会談。席上、金氏は旧日本軍慰安婦らが補償を求める個人請求問題で、日本政府が賠償に対応すべきと要請したのに対し、玄葉外相は「1965年の日韓請求権協定で完全かつ最終的に解決された」と言い、これら「従軍慰安婦基金の創設案」には応じない意向を示した。

本年8月、韓国の憲法裁判所は「韓国政府が解決の努力をしないから元慰安婦の人権が侵害されていて憲法違反である」との決定を下した。これまで日韓外相会談でこの問題はたびたび取り上げられたが進展しなかった。また李明博大統領もこの問題については今更取り上げることに賛成ではないとみられる。それゆえ、同大統領は野田佳彦首相の訪韓に際して、日韓首脳会談でもこの問題をさらりと受け流した。

従軍慰安婦問題は利権構造だ

いま、あえて「従軍」慰安婦と述べたが、戦前戦後を問わず「従軍」という言葉はもともと存在しなかった。これは、1993年自民党政権当時の河野洋平官房長官談話で軍の関与を認め、国家としての謝罪と反省を行って以来、「従軍」という言葉が使われ始めたのである。これを機会に慰安婦問題は政治問題となり、両国関係者の利権問題に発展する。

かつての戦争中に起こったことを現代の価値観と照らし合わせて謝罪するというのは、先祖が営々と築いた歴史に対する侮辱であり、裏切りである。謝罪することは日本の過去がすべて悪かったと断定することだ。しかも、謝罪することと同時に賠償金を払うことが国際ルールになっている。河野洋平元官房長官の謝罪談話がきっかけで財団法人「アジア女性基金」(平成19年解散)が創設されて以来、基金会はつくっては消える賠償金の受け皿となる利権団体であった。

今回の前原発言には仙谷由人氏が深く関わっていると聞く。専門筋の話によれば、前原氏の思いとは別に、親分である仙谷氏からの命令とあらば、自らの価値を下げても従わなければならない関係もあるというわけか。日韓で話し合われている新たな基金創設構想は、双方の関係者による利権の巣窟だ。従軍慰安婦問題がいつまでも執拗に続くのは甘い汁を吸う政治家が存在するからである。

次は自衛隊慰安婦か

日本政府は河野洋平元官房長官の談話を発表して以来、これまでの慰安婦がいつのまにか「従軍」に付記されたが、「従軍慰安婦」になると国を挙げて悪事を働いたとの印象は否めない。慰安婦とは「公娼」であり、昭和33年まで合法的に存在していたものである。

公娼は、いまでは風俗に変わり、ソープランドが名も形も変えて継承している。そこでは韓国女性が相当数働いており、自衛隊員も利用している。50年後になって、今の風俗に働く女性たちから「自衛隊に強制連行された」などと言われかねない。そうなれば今度は「自衛隊慰安婦」となるのか。何を馬鹿な話、と笑われるかもしれないが、そんな話が本当に起こったのが従軍慰安婦問題だ。しかしながら、戦後軍が慰安婦を強制連行した、と告発した元陸軍軍人の吉田清治氏の証言も全く捏造されたものと証明されている。

娼婦こそ社会秩序の砦であった

血気盛んな若者が軍隊で戦場に駆り出されるのが戦争だ。彼らの性的な処理をするのも軍の任務の一環である。性行為は本能であり、戦場では一歩間違えば普通の女性に影響が及ぶ。第二次世界大戦当時、旧ソ連軍が強姦したドイツの婦女子は200万人といわれる。そうした被害を避けるためにも娼婦の存在は必要不可欠な存在であることが理解できよう。

それならピューリタンの米軍兵士はどうだったかであるが、彼らは娼婦を戦場に連れていくことはなかった。しかし、米国の兵士も男であることに変わりはない。昭和20年の終戦直後、米軍が大量に駐留した京浜地区で米兵による日本女性への強姦事件が相次いだ。この状況を見て、日本政府は米兵専門娼婦の斡旋を民間業者に依頼した。

終戦直後の昭和20年は食糧難の貧しい時代であったから多くの娼婦が集まった。なんでも日本政府が悪いと言いたがる人たちは今になって「業者が甘言で集めた」とかいうが、娼婦の報酬は当時優遇されていた。民間業者が甘言を弄して女性を説得するのは当たり前で、だからといって罪に値するものではない。

強制連行は法を犯す大罪だ

戦時中、日本軍が若い女性を強制連行して軍人の性的処理をさせられたというのなら、これは一般犯罪で大事件になる。このような行為をすれば戦争当時であれ新聞の一面トップに扱われることは間違いない。いくら戦争中であれ、一般家庭の婦女子を連行して慰安婦にするなどありえない話だ。それゆえ、軍が強制連行した根拠や事実関係は今日に至るも一切存在していないのだ。

韓国人の慰安婦も当時は日本の市民であり、日本人と同じ扱いを受けていた。「加害者は旧日本軍で被害者は韓国慰安婦だ」と言いたがる人たちの意図は分かるが、日韓両政府の調査でも強制連行を裏付ける資料は何一つ見つかっていない。

朝鮮国内では若い女性の強制連行が行われていた

当時朝鮮では、業者に騙されて連れていかれた女性が多かったと証言する元慰安婦がいる。朝鮮にも慰安婦を集める民間業者は数多くいた。集められた慰安婦の中には年齢をごまかした未成年者もいたと聞くが、少女の中には家が貧しいために家計を助けざるを得ない事情もあった。

当時、朝鮮では若い女性の売買が頻繁に行われていた。女性の容貌や年齢、性格を基準に200円から1000円までの値が付けられたという。民間業者らは、女性たちに「多額の借金も楽な仕事で楽に返せる」と言い、親も娘も納得して娼婦になった例も多いと聞く。

その中には本人の意思に反して前渡し金による経済的な拘束と詐欺が絡んだこともあろう。また、暴力的に女性の人権を踏みにじる悪質な業者がいたかもしれない。しかしこれは戦争中に起こった出来事である。すべて悪いのは当時の旧日本軍であると日本軍に責任転嫁するのは政治的意図をもった関係者らによる歴史の捏造に他ならない。

軍が関与したのは性病対策

戦時中、血気盛んな若者の性的処理に娼婦をあてがうことは治安維持のためにも必要不可欠なことであると述べてきた。しかしそこで深刻であり、厄介な問題が起こった。当時娼婦の多くが性病に侵されていたことだ。兵士が性病に侵されることは軍にとってゆゆしき事態である。そこで、陸軍軍医が性病検査に関与することになった。

性病が拡がらぬよう軍医は避妊具の使用や消毒水での洗浄など予防策を徹底するよう神経を尖らせた。それ以降、軍が性病予防の手段として軍慰安所を多数設置して衛生管理を徹底させている。これが慰安婦に対する軍の関与であった。終戦後、残った大量のコンドームは子供たちの風船遊びに使われていた。

当時、日本軍の慰安婦に対する衛生上の注意は念を入れたものであった。一方、兵士の中には中国や韓国の婦女子に対して暴行、強姦を加える兵士がいたかもしれない。しかし、「軍人は忠節を誓うを本分とすべし」とあり、軍の規律には忠実であり、ルールを犯せば恐るべき憲兵隊から厳罰が下された。

前原政調会長の仙谷離れ

いずれにしろ、戦争中に起こったとされる慰安婦問題には様々な見方がある。しかし、当時、公娼は社会秩序を守るために合法的な存在であり、慰安婦集めは民間人によるビジネスであった。しかし、これをいまになって軍が関与したから政府が謝罪するとなると問題は複雑になる。

例えば韓国大統領も執拗に慰安婦問題を蒸し返したくないと思っていよう。しかし、慰安婦問題は人権活動家にとって最大の利権と資金源である。彼らは慰安婦を大義として「アジア女性基金」を始め、一連の基金会でたくさんの甘い汁を吸ってきた。一度得た利権は手放したくない。国際政治に詳しい前原氏も本音ではこんな発言をすればわが国の国益を損じ、韓国を増長させるだけだと理解していよう。

昨年7月、仙谷由人当時政調会長代行が官房長官時代に韓国慰安婦の個人補償検討の考えを示したのは多くの利権が絡んでいたからと見られている。仙谷氏の片棒を担ぐことにこれまでは忠実であった前原氏も、最近は少しずつ距離を置きたいとの思いが見え隠れする。日本のホープであり、わが国のリーダーとして、今後も将来が期待される人物だけに軽率な発言や行動は慎んでもらいたいと願う一人だ。

次回は11月2日(水)