山本善心の週刊「木曜コラム」 今週のテーマ     「嘘」がまかりとおる菅政権

2011年06月30日

これまで「嘘」は中国政治の専売特許だとばかり思っていた。中国人のみならず、中国外交は嘘から始まり嘘で終わる。その「嘘」がばれるとまた新しい嘘が始まるなど、日本外交は中国の嘘に翻弄され続けてきたのは周知のことだ。しかし、嘘を手段として国益が公然とまかり通る社会は、日本人がこれまで経験したことがなく、嘘つきは昔なら「村八分」にされたものだ。

たとえば、中国漁船が海保の巡視艇に故意に突撃した事件があった。これは中国人民解放軍の戦士が漁師に扮して、日本船に体当たりした事件であり、れっきとした戦闘行為だ、と日本人は思っている。勇気ある海上保安員がビデオ公開し、真相が国民の元にさらされた。なぜ、このような大事件を日本政府は隠蔽しようとしたのか。真犯人の船長をすぐに釈放したのはなぜか。この事件で日本政府は中国に都合の悪い事実を隠蔽し、徹底的な対中従属外交の姿を国民の前に見せつけた。

菅首相の巧妙な文言に翻弄された鳩山氏の責任を問え

菅直人首相は、内閣不信任案の採決直前、「一定のめどがついたら引き継ぐ」と鳩山由紀夫前首相に退陣を約束する。鳩山前首相は6月末をめどと考えて、不信任採択直前で妥協した。ところが、不信任案が否決されると「一定のめど」があいまいになり、いつ退陣するか見えなくなった。今では、「嘘」という言葉が独り歩きする菅首相であるが、一度握った権力の座を簡単に引き渡すほどやわな男ではない。

その後与野党による退陣要求は熾烈を極めているが、いまだに菅首相は首相の座にしがみつき、手放す気配すら見えない。鳩山氏は「政治家同士で約束を守るのは当たり前だ。それができなければペテン師だ。こんなペテン師まがいのことを時の首相
がしてはいけない」と批判した。

しかし、ここで誰しもが菅首相が悪いと批判しているが、本当に悪いのは鳩山氏ではないか。菅首相を退陣に追い込むなら不信任案決議で可決すればよかった。菅退陣が遅れたのは、退陣のチャンスを潰した鳩山氏に全責任があると誰も言わないのはなぜか。

隣国の政治問題に利用されるわが国の歴史観

菅首相をめぐる醜い権力争いが国民に悪影響を与えている。これはわが国の反日家たちが作り上げた悪の歴史観と同じだ。わが国民と領土を守るために生命を賭けて戦った先人たちに、まったく感謝の念がない。戦争とは当事者たちが自国を守るために戦うのであって、よい悪いの問題ではない。

わが国の歴史問題は中韓の政治事情でつくられたものだ。これまで日本の歴史、近代史はわが国が中韓の人々に苦痛と苦しみを与えたと言い、反省と賠償を求めるものだった。中韓の対日歴史観はなんら根拠のない「嘘」ばかりが並べられている。

わが国の反日勢力は中韓の対日歴史観に便乗して過去の戦争を断罪した。小中高の教科書や一部メディアの歴史罪悪論がわが国近代史をミスリードしている。現政権の菅直人、仙谷由人、岡田克也、枝野幸男氏らは左翼運動や日教組で育った反日グループであり、優等生であった。彼らの論理は嘘を常套手段とし、目的のためには手段を選ばずの教育を受けてきた。首相の座にしがみつき、嘘を常套手段とする菅首相の姿勢は理解できよう。

愛国心のない首相が就任

つまり、わが国の歴史を断罪し愛国心の無いリーダーが国政を担当すれば、被災者の生命と財産、健康を守るよりも自らの権力を死守することに専念しよう。被災者が厳しい状況下にある中で、政府は何も対応してこなかった。今日に至るも復興計画すら進まず、民間のボランティアに頼っている。震災で民間が自発的に動かなかったら、死者はさらに増えたであろう。

菅内閣は日本の国土と民族、その歴史と文化を否定し、家族破壊を目的とする法案を次々提案しようとしている。これが彼らの思想であり、政治目的と理念である。この問題は一般国民には全く伝わらない情報だ。

わが国民の大勢は社会保障のどぶ漬けになっていて、国民はご都合主義だ。国民は国や社会のことなど真剣に考える力を失っている。国の台所である財務省が税収不足を消費税増税に頼り、菅内閣で実行しようとしているがすべての解決手段を国民負担に押しつけてきた。今回破れかぶれの菅首相が適任だ。それゆえ財務省は菅首相の延命に手を貸している。

有権者に菅首相を批判する資格があるか

衆愚政治とは多くのおろかな民衆が主導する政治であり、おろかな国民が民主党政権に期待し、代表選では多くの党員票が菅首相に流れた。有権者は自らの判断で民主党、菅首相を選択したが、彼らにも責任がある。つまり、有権者が選んだ菅首相を批判する資格があるのか、を問いたい。

この菅政権を長い間支えてきた党執行部も今「菅降ろし」に躍起になっている。6月20日首相官邸に枝野幸男、仙谷由人、岡田克也氏ら民主党幹部6人が「特例公債法案と第2次補正予算案の成立後に、菅首相は退陣せよ」と迫った。菅首相は「俺は再生エネルギーをやりたい」と続投に強い姿勢を示した。

ここまで菅首相が強気なのは、メディアと財務省の後押しがあるからだと述べた。菅首相の続投への執念はすさまじい。財務省は菅首相を使って延命の片棒を担いでいるが、両者は車の両輪だ。財務省は菅政権で秋までなんとか消費税増税への道筋をつけたいのが本音だ。

外国人参政権は国家の滅亡政策だ

ローマ帝国が腐敗し、崩壊していった原因は二つある。国家は外敵の侵略によって崩壊するより、イデオロギーで滅ぶことが多い。その第一は愛国心や祖先への敬意、国民が国家を守る義務と責任が溶解するケースである。第二は大量の外国人が入国し、法的に優遇することであった。日本国に忠誠心のない外国人を、日本人と同じ制度に組み込む外国人参政権は主権放棄であり、国家滅亡政策に他ならない。

2009年夏の総選挙で民主党は圧勝した。選挙に勝つために、「子ども手当」「高校授業料の全額国庫負担」「農家個別保障制度」など、なりふり構わぬばらまき4Kを選挙公約に掲げた。国家が税収不足で身動きできないというのに、なにがばらまき4Kか。

これは当時、小沢一郎幹事長が掲げた選挙公約である。筆者はなぜこのような馬鹿げた政策を掲げるのか疑問であった。「今、子ども手当は財源不足の中で実現するべきではない」と反発の声が拡がりを見せている。

政治をおかしくしたのは誰か

政治はおかしいと言うが、この政治をおかしくしているのは有権者である国民だ。彼らは本質的にばらまき4Kを歓迎している。いたるところに社会保障がばらまかれているが、国民はこれで大丈夫なのか。この恩恵を持続するには消費税増税もやむを得ないとの声になる。

自民党政治から続くばらまき政治はとどまるところを知らず年々拡大してきた。世界で日本人ほど恵まれた国民はいない。毎日冷たいビールを飲み、安くておいしい食事が街にあふれている。ぜいたくを言えばきりがないが、日本は世界で一番豊かな国といって差し支えないだろう。

戦後、わが国は米国に安全保障を頼り、経済拡大に専念した結果、経済大国になった。その結果、日本人の価値観はモノ、カネに集約し、企業も人間もぜいたくにすんなり“馴らされてきた”。いま日本人の姿は愛国心、安全保障、精神文化をなおざりにする危ない国民だ。

国家観語れぬ国のリーダーは不要だ

日本国中、「菅降ろし」の大合唱が渦巻くなか、菅首相の退陣後、それに代わる首相資格者はいるのか。現執行部の中から選ばれるならば、もっと悪いリーダーが選出されるのが落ちだろう。

さらに今後、半年毎に首相が代わることもある。昨今は、無能な政治家が単なる人気で選ばれる風潮があった。いま挙げられている首相候補者に日本国を担うリーダーの資格を有している者は皆無に等しいといえまいか。

何でも新しく変われば良いというものではない。日本国を担うリーダーとしての資質、能力、人格、見識ある人を選ぶのは当たり前のことだ。しかし、それに近い人を選ぶのが政治家の使命であるが期待するのは至難のことだ。菅首相の後継として仙谷由人、枝野幸男、岡田克也、野田佳彦氏らの名が浮上しているが、菅首相とあまり代わり映えせず、しかも日本崩壊シナリオの共犯者たちだ。

それなら、いっそのこと菅首相に続投か解散をさせてみるのも一つの手だ。何もしない政権がこれからも何もしないのなら、どん底に落ちたほうが良い。そうしないと次の道筋が見えてこないのではないか。菅政権の解散権は日本国を変革させる大マジックになるかもしれない。

次回は7月7日(木)です