山本善心の週刊「木曜コラム」 今週のテーマ     日本人精神を持っていない日本人に告ぐ    ~日本精神を持つ台湾の自由・民主の旗   手、呉氏と弊会研修会でのやりとり

2010年04月15日

先月弊会が台湾で行った「海外研修会」では、前日の李登輝前総統に続いて台湾最大の新聞社、自由時報の呉阿明董事長から日本統治時代の貴重なお話を伺った。台湾のマスメディアが中国資本や政治的影響を受けるなか、唯一自由と民主化の旗手として健闘する自由時報と呉董事長の存在は台湾人の心の拠り所だ。「私は大正13年生まれで、日本の教育を受けた『日本精神を持っている台湾人』だが、あなたがた現代の日本人は、戦後米国の教育を受け、戦争の反省と謝罪を求められた、『日本人精神を持っていない日本人』だ」「アジアの国々は大東亜戦争がなければいまだ白人の支配下に置かれたままだった」などと熱く語った。呉董事長が当時の生き証人として日本が台湾発展の源となる近代化、インフラに心血を注いだ様子を語ると、聞き入る若い経営者の方たちの顔が紅潮し、自信に満ちた表情に変わりゆくのが見て取れた。講演後、特に沸いた質疑応答の模様を再録する。

質疑応答 (以下、敬称略)
質問者)日本人として非常に勇気をいただけるお話でした。ある統計で、韓国は日本が占領する前と後でGDPが300%増えたということを聞いたことがあるが、韓国は反日で台湾は反日教育を受けても親日だ。この差はどこから来るのか。

呉)私には台湾のことしかわからないが、日本は台湾で電気やダムの敷設など非常によいことをしてくれた。産業面でも台湾はとても日本に感謝し、頼りにしてもいる。現在の台湾には日本のあらゆるメーカーが進出している。現在の台湾2300万の人口では国内需要だけでは成り立たない。台湾で生産したものを海外で売る必要がある。農業の分野では台湾にはかつてなかった梨もリンゴも柿もある。また日本の大学の技術で養殖うなぎの技術も上がった。台湾は日本から離れては立っていけない。いまの若い人は日本語を習いたがるし、カラオケでもみんな日本の歌を歌うほどだ。中国の歌はひとつも歌えないのに(笑)。

質問)一番反日的なのは日本のマスメディアだと言う意見もあるが、それについての意見を。

呉)日本で祝祭日というが、祝日と祭日は違うものだ。祭日とは天皇がお祈りする日だが、国の施策で祭日をどんどんなくして祝日にしている。戦前は天皇が何をしているか国民は大体知っていた。ところが今では祈る人ではなく単なるエンペラーのような存在としてどんどん教え込んでいる。朝日新聞を筆頭にマスメディアは「日本が悪いことをした」と反日的なメッセージを繰り返し、官僚、メディアが反日的な施策を行っている。
日本の教育基本法はアメリカがつくった。終戦当時アメリカは日本を潰すつもりだった。黄色人種同士の戦いで日清戦争で日本が中国に勝つのはいいが、日露戦争でロシアにも勝った日本は許せない。米国は日本を潰すつもりで憲法第9条や教育基本法をつくった。そして日教組が手先となって日本人を教育していたのです。安部さんが総理になって変えようとしたが、遅すぎる!

弊会山本代表)なぜ中韓は反日で台湾は親日なのか。当時の日本は中韓台に対して同じような政策をとったことは間違いない。戦後、李承晩が政治犯として受けた虐待は相当なもので、日本に対する恨みつらみは想像を絶するものといわれている。当時の韓国の生活状況や腐敗したヤンバン制度がいかに人民を苦しめたか。内部紛争が起こる中で韓国は非常に弱体化し、そこへロシア、中国が虎視眈々と朝鮮半島を狙った。戦後、復興するまでに貧困の過程があった。韓国の貧困の責任や戦前悪いことをした歴史はすべて日本にあると押し付け矛先のすべてを政治的な意図によって日本に向けてしまう必要があった。

弊会山本編集長)韓国は新羅、百済の時代から地域感情が強く、今でもいかに地域感情を統一するかが政府の課題だ。それには外に敵をつくるのが一番いい。そこで反日感情を利用してきた。李承晩政権時に反日が根付き、その後の歴代大統領も反日カードを使って国をひとつにまとめ、政権の反対も押し切ってきた。
私は韓国の延世大学や大学院で十年滞在してきたが、現地の人に植民地時代の話を聞くと、高峰三枝子の湖畔の宿などを唄い古き日本を懐かしんだり、学校の先生も非常によかったという話を聞く。ただ戦後のテレビは反日ドラマを放映しており、「こんな悪いことを日本はやってきたのか」とドラマで逆に戦争体験者が認識してしまう不思議な現象がある。そうした国内事情で反日感情が高まった。

質問者)村山談話などを蒸し返し、ことある毎に謝罪を繰り返している私たちの国のメディアと官僚が最も反日的なのが問題だ。

呉)村山政権時に訪日したが、当時社会党は「無防備中立」を掲げていたので、私は「家を建てるとき、門もつくらないと泥棒が入る」と忠告したが、誰も何も言えなかった。私もいまの台湾における日本企業、朝日新聞に対して非常にやきもきしている。

弊会山本代表)いまのは核心をついた重要な質問だが、日本国内の霞ヶ関を中心に各省庁、とくに法制局、新聞社、メディア、検察などあらゆる勢力に外国勢力が入っている。20数年前、南朝鮮労働党のある先生に「韓国は十数年後に必ず左傾化して韓国は工作員によって支配されるようになる」といわれたが、その予言通り、盧武鉉のもとで韓国は左傾化政権になった。それに気付いた国民が驚いて運動を起こして左翼政権から現政権に変わっている。韓国の保守グループが「もう許せない」と結束して復元したということになる。いま日本が同じような流れになりつつある。
韓国は反米で、すべては反保守であり、日本の小沢、鳩山も反米路線を打ち出した。普天間基地も5月までにどうなるかわからない。今度参院選で民主党が勝てば外国人参政権、夫婦別姓法案などいろんな問題を一気に増やして日本国民も気付くだろう。世論が何と言おうと過半数取れば次から次へと法案を通し、日本は一気に変わってしまうのではないかとの不安もある。政治が権力を握ったら政策は意のままではないですか。

呉)その通りだ。弊紙はどの政党もサポートしていない。台湾のため、台湾人が何を求めようとしているかをみる。今あらゆる政策が中国向けになっている。弊社の社説は馬氏の就任後、毎日社説で総統を叩き、台湾人の意識が80%になった。メディアの力が大きいことは間違いない。

質問者)今日は非常に親日に満ちた話を聞いて非常に嬉しかった。私も小2で終戦を迎え、翌日から教科書は黒く塗って、アメリカの教育を受けた。ここにいる人は皆戦後教育で南京虐殺で30万人殺したなどという授業を受けている。先生に再教育していただきたい。

呉)第一に当時は明治天皇の教育勅語があった。教育勅語に載っていることは親に孝行し、兄弟仲良く、公徳心を持つなど、人間として学ぶべきことが多い。いまはいかに人として生きていくということを教えられていない。公徳心がない。国に対しても愛国心がない。社会的な博愛心がない。日本式の古来の教育をしなければならないと強く思う。昔の日本教育があればこそいま、私にこういう心持ちがあり、こういうことが言える。だから一番大事なのは教育だ。台湾が経済的にも社会的にもかつての東南アジアの植民地に比べて恵まれた状況にあるのは教育あってこそだ。

質問者)今日は感動したと同時に日本人として情けない想いをした。この日本をよくしていくために我々レベルでできることはあるのか。このままだと日本がどんどん壊されていく。どうやればもっと日本がよくなるのか。

呉)うちの記事に同意できない人もいる。できることはある。まず新聞社のどこが間違っているかを指摘し手紙を出す。メディアは国のため、人民のためにある。

質問者)日本にそんな新聞はもうないかもしれない。国民は皆マス・メディアは権力の手下だと思うようになっていませんか。

呉)うちの新聞日本に持って帰りなさい(笑)。

質問者)先日将棋の羽生(善治)氏と話す機会があり、将棋は相手の王様をとれば相手の兵隊をみんな自分の兵隊として使える。チェスは相手を皆殺しにする。世界中で敵が味方になるゲームは将棋だけだ。それが日本人のマインドだ、と。日本人として今日は自信を持つことができました。ありがとうございました。

次回は4月22日(木)です。