政民合同会議講演会

2015年4月6日 講師/小野寺 五典 前防衛大臣・衆議院議員

「防衛と安全保障」

有事に際し、防衛省は陸海空の3自衛隊の防衛力を「統合機動防衛力」として一元的に整備する「国家安全保障戦略」を策定した背景には自身が東日本大震災で被災した際、あるいは防衛相として様々な駐屯地への視察を経て湧き上がった疑問、運用の問題点が土台となっている。部隊規模は充実でも輸送能力に不足があったり、最新鋭の能力を備えながら一般道での歩行が困難な戦車など、実践での問題点が露呈。原発など重要施設を守るためにも自衛隊のマインドを変える必要があった。少子化時代を前に自衛官の確保も急務だが、女性自衛官の活用、装備の省人化、自動化を進めることで十分対応できる。各地の離島に散らばるレーダーサイトの集中管理や、各種情報収集・分析など、従来は男性自衛官のみが担当していた職務を勤務環境の整備によって女性が就けるようにする。また戦車に砲弾の自動装填装置を採用し、乗員数の削減を図る。同時に民間のパイロット不足は自衛隊を退職したパイロットで補えるよう、自衛隊パイロットの民間活用を復活させ、人員の活用も進めていく。
防衛相在任中には中国が東シナ海上空に防空識別圏を設定するなど、緊張が高まる場面もあったが、国際社会にうったえるため記者会見を開き、証拠も提示。結果、いまは両国の関係は以前より改善されたと言える。日中関係が改善されれば日韓関係に向かう。近々日中間で紛争回避策として軍事ホットラインが構築され、安保対話も行われる見通しとなった。関係改善には国として堂々と対応することが重要だ。
米国に対しては今後も世界経済の中心であり続ける東アジアへのリバランスを提言。東アジアの安全保障が安定することが米国経済にとってもプラスとなると主張。日米の防衛協力がガイドラインの重要性も訴えてた。
小野寺氏は文民から見た自衛隊の問題点、矛盾を指摘。日中関係の良し悪しにかかわらず軍拡の勢いを止めない中国を懸念するとともに、大きな歴史観の中でみた中国の立ち位置などについて分析した。