政民合同会議講演会

2015年3月9日 講師/金 慶珠 東海大学准教授

「朴政権と日韓関係」

近年の日韓関係は、歴史認識や慰安婦問題などによって不毛な対立が続いている。
日韓両国は社会構造を始め類似点も多いが、日本とは大統領制、分断国家ということころで根本的に異なる。強大な権力を持つ大統領制を有する朴政権の支持率は人事の失敗や、「増税なき福祉」を訴えながら実質的な増税に踏み切ったことから支持率は2年目以降急落。大統領就任以降、開いた記者会見はわずか二回。閉鎖的でコミュニケーション不全ともされる籠城した“姫”が率いる“不通”内閣には批判も高まっている。朴政権の外交は外交の体をなしておらず、支持率の回復は難しいだろう。長期独裁政権が続いた反省から、1987年から任期5年の大統領制を敷く韓国での支持率の意味は日本とは根本的に異なるが、それでも、このまま行けば、「任期中にスキャンダルもないが、何もしなかった内閣」となる可能性大だ。党内の非朴勢力も急伸しており、来年4月以降一気にポスト朴をめぐる争いが活発化するだろう。
米大使襲撃事件は過激な反米思想を持つ従北勢力が引き起こしたもので、韓国のこうした極端な民族主義には米国も警戒しているが、米韓同盟が韓国の安保の基軸であることに変わりはない。韓国の極端な民族主義は、韓国にとって北朝鮮が外交の焦点であり、同じ民族であるにもかかわらず大きな脅威であるというジレンマによるところが大きい。
米国は韓国に対し、日韓関係の改善を求め、韓国も米国から日本との対話を求められれば積極的に応じざるを得ない。日韓は互いに重要なパートナーだが、両国民の無知が現在の状況を招いた。互いに相手の国についての理解を深めるべきだ。
金氏は、このほか日韓基本条約についても触れ、日本からの借款が一部技術支援であったのに対し、米国からの支援はすべて現金であったことから、「日本からの借款が韓国の戦後の経済復興を支えたという認識は韓国には希薄」と主張。こうした双方の “認識”の違いなどもあり、その後の質疑応答では議論が沸騰する場面もあった。