政民合同会議講演会

2014年9月10日 講師/鈴木 宗男 新党大地代表

「鈴木宗男が語る、日露関係の行方」
外交は交渉の積み重ねの結果だが、日本のメディア、政治家とも北方領土についての認識不足は否めない。共産主義時代の旧ソ連邦に対する日本政府の主張は四島一括、かつ即時返還せよ、というものだったが、ソ連が崩壊し、冷戦終結後、日本政府は四島一括返還を主張していない。外務省の北方領土に関する公開文書においても「四島の日本への帰属が確認されれば、実際の返還の時期、条件については柔軟に対応する」と日本国民、ロシアに対して明示している。森―プーチン間で1956年の日ソ共同宣言の有効性を確認した2001年のイルクーツク声明を生かすことが日露平和条約、領土問題の解決につながるだろう。
責任ある政治とは、交渉し、結果を出すことだ。二島解決を主張すると国賊呼ばわりされるが、四島一括返還を主張すれば交渉の入口に立つことすらできなくなる。外交力とは人間力である。約束を守らなければ次のステップにつながらない。森政権があと1年続けば領土問題は解決へ向けて大きく動いたに違いないが、鈴木宗男事件以降、日本側からロシア事情に精通している人物が交渉現場から去り、日露両国にとって空白の10年が生まれた。
しかし、私はプーチン政権下での日露関係について楽観している。プーチンは親日家であり、日本に対する配慮が随所に感じられる。ロシアは極東開発によって都市整備を進めていきたいと考えており、日本の応用技術に期待している。世界一の資源大国であるロシアと世界一の応用技術を誇る日本が手を結べば世界に貢献できるだろう。ロシアに対しての賢明な判断と認識を持つ安倍首相の下、必
ずや大きな歴史の1ページが年内につくられると信じる。
鈴木氏は、橋本―エリツィン間で持たれた国境線確定の話し合いや、生死の境をさまよう小渕前首相の命を受けて特使として派遣された現場での緊迫したやりとりについても、当事者ならではの息遣いが伝わるような様子を、ユーモアを交えて語り、会場内は笑いが絶えなかった。
その後の質疑応答でも活発なやりとりが行われた。鈴木氏は、マスコミに共産主義のソ連と自由と民主の国ロシアでの国是、領土問題に対する考え方が違うこと、ウクライナ問題についても米国の牽制に引きずられることのないよう十分な理解を求めた。また外務省に対しても、隣国である中韓露との協力が不可欠であり、その重要性を理解したうえで外交の独自性を出すべき、などと提言した。