アジア会議講演会

2013年4月25日 講師/竹田 恒泰 旧皇族・竹田家、明治天皇の玄孫

「女系天皇問題にトドメをさす」
女性宮家創設論とは装いを新たにした女性天皇推進策にほかならない。かつて小泉政権下で皇室典範に関する有識者会議が立ちあげられ、皇位継承権を男女問わず第一子優先とする改正準備案が出されたが、秋篠宮紀子妃殿下の御懐妊によって皇室典範の改正は見送られた。そこで女系推進派が、女性皇族が結婚適齢期にさしかかるなか、天皇陛下の御公務の軽減を理由に保守派も説得すべく打ち出した新たな論法が女性宮家であった。推進派は“一代限り”と主張するが、皇室が民間から婿をとった先例はなく、二千年以上にわたり男系によって連綿と維持されてきた『天皇』=本家という柱を揺るがし、将来に女性天皇の成立につながる禍根を残す。そもそも天皇の御公務を他の皇族が代行することはできず、女性宮家の成立が天皇の公務軽減につながることは断じてない。推進派の主張は「計算上いつかは途絶えるのだから、いま途絶えさせてしまえ」というに等しい。また、戦前の宮内省と異なり、現在の宮内庁は単なる政府の一組織に過ぎず、皇室を守ろうという気概がまるで感じられないばかりか、歴代宮内庁長官の数々の発言には政治的な別の意図さえ感じられる。

天皇と皇后では役割が異なるため、代行することはできず、女性天皇ともなれば天皇皇后の役割を一人で担わなければならないことになる。これは新たな人権侵害につながる。男系継承は理屈を越えた古来からの叡智であり、男系継承を安定させるには、旧皇族を皇族に復帰させる、あるいは旧皇族から婿をとって既存の宮家を存続させるなど議論も進められている。前者については予算など様々な問題があろうが、後者については女性宮家、女系天皇容認派も民間から男子を迎えることに賛成している以上、反論することはできない。

皇室は数千年に一度の皇統断絶の危機にあるが、医療技術の進歩により出産の危険、幼児の死亡率が改善された現在、この危機は必ず乗り越えられる。

わが国の皇室は二千年以上にわたって男系男子によって継承されてきた。皇室の制度は慎重に扱うべきであり、伝統を変えることを議論する前に、まず守ることを議論するのが正しい日本人の考えではないか。