主張

「歴史の真実」

 「本年は歴史的に敏感な年であり、歴史問題を適切に処理したい」
読売新聞によると、1月14日の日中両国の首脳会談で、中国の温家宝首相は、日中戦争の発端となった廬溝橋事件から70年となることを念頭に日本側の慎重な対応を要請した。中国側が安倍首相の靖国参拝を懸念していることの表れだという。
その日中に関する歴史問題であるが、日本人のなかには日本が中国に軍隊を送るなど悪いことをしたという人がいる。しかし、日本が軍隊を送ったのは共同租界地区(外国人を誘致する場所)であった。日本の企業・民間人を保護するために、8か国のうちの1か国として軍隊を送ったものだ。これはけっして占領や侵略ではない。もちろん、国際的にも中国側にも承認をえていたものである。問題なのは、日華事変(日中戦争)が日本が始めた戦争ではなく、中国が始めた戦争であったということだ。
その発端となったのは、廬溝橋事件である。これは日本軍が夜間練習をしていたら何物かによって発砲され大騒動となった。日中両国とも現地解決・不拡大方針で必死に交渉し、5日目にやっと停戦協定成立となる。しかし、日本軍に銃撃を加えたのは、蒋介石率いる国民党軍ではなく、毛沢東率いる中共軍であったことが定説だ。これは毛沢東が、日本軍と蒋介石軍を戦わせ、両方が疲弊している間に、中国共産党が力を伸ばそうとしたものである。
しかし、その3週間後に、日本人260人(朝鮮系日本人も含む)を虐殺する非人間的な「通州事件」がおこった。これは無惨・残虐な手口で日本人移留民・軍人・婦女子を城内に閉じこめて虐殺した事件であり、国際法違反である。その後、国民党軍は上海周辺で日本を威嚇しそれに日本が交戦したら辺り構わず空爆空襲をしかけてきた事件がおこった。このように、日華事変をしかけてきたのは、日本ではなく中国側である。
かつて日ソ国交回復連盟の会長職を勤めていた久原房之助という人がいた。久原氏は毛沢東と会談したことがある。久原「日華事変は、中共に益するところありというが、毛沢東さんはどう思われますか」。毛沢東「第一、日本軍が蒋介石軍を叩いてくれなかったら、我々中共軍は蒋介石軍に完敗していました…」。つまりは、誰のために中華人民共和国は政権を握れたというのか。
すべて悪いのは日本軍だと片付けられる。我々が日中間に横たわる歴史認識の違いを明確にするには、日本側にあるたくさんの資料を明示すべきである。日本側の保守系専門家は「事実と根拠」を明確にすべきである。また、中国側は日本罪悪論の根拠を立証すべきではなかろうか。