主張

一強百弱」の時代 

  いま時代は「一強百弱」の時代を迎えている。どの企業も「一強」を目指しているが、成功するには経営者の能力と運の良さが決め手となる。これまでのように勤勉で真面目に努力を続ける姿勢は貴重ではあるが、それだけでは「勝ち組」になれない時代を迎えている。    たとえば、ケン・コーポレーションの田中健介氏は、創業以来、高級賃貸住宅の仲介業に特化し、この分野でまず「断トツの一強」になることを目指してきた。また、ケン・コーポレーションでは、不良債権化したブランドホテルやシティホテルを次々と安く買い取り、リニューアルして付加価値を付け、再生している。そんな田中氏はこと経営に関して、今、外食ではマクドナルド、アパレルではユニクロが一人勝ちしているように、世界的にあらゆる産業は「一強百弱」の様相を呈していると述べている。さらに、田中氏は、各部門に対して、既に「一強」になっている高級賃貸仲介業のように「一強」を目指せと主張した。「一強」とは広義ではトップレベルのことを意味し、「一強」になるための幾つかの条件を構築し目標を達成せよとハッパをかけている。それは一強を目指す強い志と意思のある所には不況はないからだ。また、田中氏はかねてから一番大事だと思っている経営理念は、「身の丈経営」であると述べている。それを行う中で本業に関連する素晴らしい事業が見つかれば、これも「身の丈」で進出していけばよい。その一例になるが、昨年、ケン賃貸保証株式会社を創設した。  田中氏は、本業と直接ならびに間接的に関連のあるビジネスには進出してもよいと考えている。また、本業にとってプラスになる会社を立ち上げるべきだと考えている。  さて、話はかわるが、世界経済はいまや一つの経済単位となったことはまぎれもない現実となった。それゆえ企業は世界を相手としてビジネスを展開しなければならない。しかし、日本という村社会経営から自由競争社会でどれだけ通用できるか。いかに勤勉で真面目に努力を重ねたとしても、自由競争社会は本物が生き残り、嘘とペテンがまかり通る社会だ。いくら本物であったとしても、相手国の都合によって潰されることもある。いまトヨタ自動車はその試練に立っているが、アメリカは自国の自動車産業を守るために、トヨタをぶっ壊そうとしている。トヨタまでになると敵味方に分かれるところであるが、普通の中堅中小企業になると、簡単に潰されてしまうことがある。それゆえ、世界を相手にすることはまさしく経済戦争であることを前提にあらゆる戦闘態勢を身につけなければならない。世界では見識と教養、戦略のないものは、やがて潰される運命にある。